すが漏れとは?原因と対策を雨漏り専門店『新創』がわかりやすく解説!
2025.03.27 (Thu) 更新
「すが漏れってどういう状態?」
「すが漏れと雨漏りって何が違うの?」
「すが漏れ」と聞くと、何かが漏れているということは伝わりますよね。すが漏れは積雪によって起こる屋根のトラブルです。
「『すが』って何?」と疑問に思い、この記事にたどり着いた方もいるかもしれませんね。すが漏れの『すが』とは、東北弁で「氷」という意味があります。
つまり、すが漏れは「氷漏れ」ということになります。
「氷漏れ?凍っているのに漏れるってどういうこと?」
すが漏れは、屋根に溜まった雪解け水が軒先付近の凍結によって排水されず、屋根内部に水がしみ込んだ状態です。雪が溶けて水になって、再び凍ってしまうことで雪解け水が行き場を失って水漏れが起こる症状です。
東北や北海道といった積雪量の多い地域でよく発生するため、その地域の方の中には雨漏りのことを「すが漏れ」と呼んでいる方も少なくありません。ですが、すが漏れと雨漏りは厳密にいえば別のものです。すが漏れは雪が溶けて水になり、再び凍ってしまうことで起こる水漏れで、雨漏りは雨水が直接建材に浸透する水漏れです。
もちろん、東北や北海道以外でも、雪解け水によるすが漏れは起こり得ます。積雪が少ない地域でも、冬場に雪が溶けて屋根内部に水がしみ込むことがあるため注意が必要です。
すが漏れが起こる原因はおもに3つあります。
- 屋根材の防水機能が低下している
- おうちの断熱効果が低い
- 屋根の塗装が劣化している
1つでもあてはまる場合、すが漏れが起こる可能性が高いです!おうちのメンテナンスに不安があると感じたら、この記事を読み進めて、すが漏れについての「備えの知識」を学んでいきましょう。
今回は、すが漏れが発生するメカニズムや原因について、雨漏り専門店『新創』がわかりやすくお話していきます!
目次
『すが漏れ』と雨漏りは違う!発生する流れは?
すが漏れは「すが漏り」「しが漏れ」とも呼ばれることがあり、東北や北海道といった積雪が多い地域で発生しやすい屋根のトラブルです。
同じような「水が漏れてくる」という現象ですが、雨漏りとすが漏れは異なるものです。雨漏りは、建材にはがれやめくれといった不具合が起こることで、雨水が内部に入り込んで発生します。雨が多い時期に起こるのも特徴の1つです。
一方で、すが漏れは屋根自体に異常がなくても起こる可能性があります。行き場をなくした雪解け水が、屋根材の接合部からしみ込むことで水漏れが起こるからです。すが漏れは雪の多い時期や積雪地域で多く発生しています。
ただ、すが漏れして内部にしみ込んだ水分がおうちの天井まで染み出てくる場合は、雨漏りと呼ぶこともあります。室内で起きた雨漏りは、すが漏れが原因であるケースも考えられるため「おかしいな?」と思ったらすぐに業者に連絡しましょう。
すが漏れが発生する流れ
すが漏れは以下のような順序を経て発生します。
- 雪が屋根に降り積もる
- 屋内の暖房の熱が屋根まで上昇
- 屋根に積もった雪が少しずつ溶ける
- 溶けた雪は冷たい外気にさらされる軒先付近で氷になる
- 軒先付近で氷の塊になったものが排水をせき止める
- 行き場をなくした雪解け水が溜まって屋根材接合部に侵入
- 屋根接合部から水が漏れてくる
常に外気に触れている屋根では「雪から水になり水から氷になる」というイレギュラーな変化が起きるため、すが漏れが発生するのです。
この現象で有名なのが「つらら」です。つららは溶けて水になった雪が再び凍って、軒先にぶら下がるようにできていますよね。
この「つらら」ができることで軒先への排水ルートがせき止められ、すが漏れにつながるのです。このことから、つららがよくできるおうちは「すが漏れリスク」が高いといえます。
急激に気温が低下したり、短時間で大雪が降ったりするという異常気象が増えている現代だからこそ、すが漏れリスクは頭に入れておく必要があります。
ただし、すが漏れはたくさん雪が積もると必ず起こるというわけではありません。すが漏れが起こる原因は屋根やおうちの状態も関係しています。
すが漏れが発生する3つの原因
すが漏れは雪の多い寒い地域のおうちで必ず起こるものではありません。発生する原因にはおもに3つのことが考えられます。
- 屋根材の防水機能が低下している
- おうちの断熱効果が低い
- 屋根の塗装が劣化している
屋根材の防水機能が低下している
屋根材の防水機能が低下すると、すが漏れや雨漏りの原因になる恐れがあります。屋根は常に厳しい気象条件にさらされているため、定期的な防水機能のメンテナンスが必要不可欠です。
具体的には、屋根のクラックや割れ目を点検、必要に応じてシーリング材で補修すること、排水路の清掃や塗膜の再塗布などが挙げられます。これらの作業は、水漏れによる内部の腐食を防ぎ、屋根全体の大規模な修理やコストのかかる屋根材の張替えを回避するのに役立ちます。
また、専門家による定期的な点検を行うことで、小さな問題を早期に発見し、大きなトラブルへの発展を防ぐことができるでしょう。このようなメンテナンスは、長期的な安全とコスト削減にもつながります。
おうちの断熱効果が低い
断熱効果が低いとすが漏れが発生しやすくなります。断熱材を設置していない、機能が低下した断熱材のまま仕様している場合は、室内の温かい空気が外に漏れやすくなります。
温かい空気は上昇する性質があるので、屋根まであがって雪を解けさせてしまうのです。すが漏れの直接的な原因になる部分なので、おうちの断熱性を確認しておきましょう。
ただし、新旧に関わらず、適切な取付けがされていない断熱材や不適切な材料使用も、すが漏れを引き起こす可能性があるため定期的な点検が必要不可欠と言えるでしょう。
屋根の塗装が劣化している
屋根の塗装が劣化すると、雪が滑り落ちにくくなり、屋根上に雪が留まるリスクが高まります。劣化した塗装は雪の滑りを悪化させ、その結果、溶けた雪が再び凍ってすが漏れの原因となってしまうのです。
また、屋根材が破損していたり劣化していたりすると、凸凹の表面が雪を引っ掛け、留まる原因になることがあります。ただし、塗装が新しくても、屋根の傾斜が緩い、雪の量が多い、気温の変化による凍結などの条件では雪が留まることがあります。
定期的な塗装は、破損や劣化の早期発見につながり、雪の滑りを良くする効果がありますが、完全な防止策ではないため、他の対策も併用することが重要です。
定期的に屋根の塗装をおこなうことで破損や劣化の早期発見にもつながり、長期的な屋根の保護と、雪の滑りがよくなる、という一石二鳥のメリットが得られるのです!
何個あてはまる?すが漏れが起きやすい状態チェックリスト
「うちはすが漏れの心配が高いのかな?」
「今年は持ちこたえたけど、来年の冬はどうなるんだろう…」
不安に思っているなら、すが漏れチェックリストで確認しておきましょう!原因がわかっていれば事前に対処ができます。
- 築年数が15年以上経っている
- 屋根の勾配が緩く雪が溜まりやすい
- 屋根の形状がパラペットタイプである
- 屋根塗装のメンテナンスを怠っている
- 雪止め金具が設置されている
- 日当たりが悪い向きに屋根がある
- 軒先付近によくつららができる
築年数が15年以上経っている屋根は、屋根材自体の耐用年数を超えている可能性があります。15年間の間に屋根材を新しく取り替えたり、大規模に下地の修理などをおこなっていない場合は注意しましょう。
パラペットタイプの屋根とは、屋根部分が屋上のようになっており、周囲が外壁に囲まれているような陸屋根のような状態のことです。雪が下に落ちないような設計になっていると、屋上スペースに溜まってしまい、すが漏れが起こることがあるのです。
雪止め金具は、その名の通り雪に備えて設置されているものですが、積雪量が多すぎるとデメリットになってしまいます。雪止め金具によって屋根に雪が溜まりやすくなり、すが漏れの原因となるのです。
事前に対処しよう!すが漏れを防ぐ方法
すが漏れを事前に防ぐ方法は3つあります。
- 雪降ろしをする
- 屋根裏に断熱材を入れる
- 屋根の状態を診断してもらう
雪降ろしをする
すが漏れのそもそもの原因をつくる「雪を除去する」という方法が一番効果的です。雪によって屋根の排水機能が阻害されるため、大元の原因を取り除けばすが漏れの不安も払しょくできます。
ただし、屋根は高所作業になり、雪の降り積もった足場は滑るキケン性も高まっています。
- 屋根からの転落
- 屋根を破損するキケン性
毎年のように、雪降ろしで屋根から転落してお亡くなりになった方のニュースを耳にします。屋根の雪降ろしは滑るキケン性があるため、転落防止用のサポート・安全服着用など規定された安全対策を必ず守る必要があります。また、体調がすぐれないときや天候が悪いときは作業を避けましょう。
ただ、転落リスクや屋根を破損させるキケン性を含めると自分で雪降ろしをするリスクは高すぎます。雪降ろしはプロにお願いするのが安心です。
屋根裏に断熱材を入れる
屋根裏に断熱材を入れ、室内の熱が屋根まで伝わらないようにしましょう。屋根に積もった雪が室内からの温かい空気で意図せず溶ける、といったすが漏れの原因を防げます。
断熱材を入れることで、おうち全体の耐久性のアップが可能です。断熱材で結露やカビの発生を防げるので、構造部分にダメージがおよぶのを防げます。さらに、断熱材によってエネルギーコストも節約できるので、お財布にも嬉しい効果があります。
屋根の状態を診断してもらう
塗装の劣化や防水機能の低下といった原因から、すが漏れが発生することを考慮して事前に屋根の状態を診断してもらいましょう。
屋根は高所で転倒や転落のキケンがあります。自分で状態をチェックしようとせずに、必ずプロに依頼しましょう。積雪シーズンが来る前に屋根の状態を整えておけば、すが漏れの心配も軽減できますよ。
屋根の状態を診断するためにはプロの力が必要です。初回の診断を無料でおこなっている業者も多くいるため、費用の心配をする必要もないでしょう。また、早期に問題を見つけて対処することで、大きな修理費用を抑えることができますよ。
雨漏り専門店『新創』では、無料雨漏り診断をおこなっております!雨漏りの原因となる屋根の不具合は、すが漏れのリスクにもつながります。異常気象が多い今だからこそ、念のための診断が功を奏すこともあるのです。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
すが漏れ対策に最適な時期は?
すが漏れは積雪が原因で起こるため、冬を迎える前に屋根の点検やメンテナンスを終えておきましょう。もし、屋根材や下地に異常が見つかった場合は、屋根を新しいものに取り替える必要があります。
屋根の揚げ替え工事は費用はもちろん、工事期間もある程度必要になります。屋根の範囲や形状によっても難易度が変わるため、余裕を持って工事ができることを想定したうえで早めの対策を打ちましょう。
屋根工事として最適な時期は、乾燥している春から初夏(4月から7月頃)や、秋(9月から11月頃)です。ただ、近年は春先でも高温になることもあり、7月前後には線状降水帯が発生するなどと、工事に不向きな条件になることもあります。
屋根工事に適切な時期を把握しておき、できるだけ早めに業者に相談してスケジュールを立てていきましょう。
すが漏れが起きたらプロに相談!新潟市にある雨漏り専門店『新創』におまかせ!
「すが漏れだと思うけど、もしかしたら雨漏りなのかな?」
「すが漏れする前に屋根の状態をチェックしてもらいたい」
すが漏れ対策なら、雨漏り専門店『新創』におまかせください!雪の多い地域にある専門業者だからこそ、すが漏れの不安にも寄り添った対応をさせていただきます。
すが漏れが進行すると、結果的におうちの内部に水分がしみ込み、これが天井や壁に影響を及ぼすようになります。この状態も、一部では雨漏りと同様に表現されることもあるのです。
ですが、始まりの原因である「水分が侵入」の経路と原因が異なるため、すが漏れと雨漏りは異なる現象としてあつかわれています。自己判断は発見を遅らせてしまう可能性もあるので、迷ったときは一度ご相談ください。
おうちにとって外部からの浸水は致命傷になります。大切なおうちを長持ちさせるためにも、塗装や診断といったメンテナンスを定期的におこないましょう!